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大きな濡れ縁のある庭

所在地 埼玉県上尾市

用途 個人邸の庭

完成 2012年9月

撮影 広岡 雅樹 (広岡雅樹写真事務所)

完成6年目のお庭。以前のお庭は、広いスペースに丸く刈り込まれたキンモクセイとドウダンツツジがあるだけでした。2人の子供たちも独立され、現在はご夫婦2人くらしですが、自営業をしているため毎日帰宅が遅いとのこと。休日もお仕事をしていることが多いため、家にいながら軽井沢や那須の別荘地にいるような外空間が欲しいというリクエストでした。一番に重視したことはリビング、ダイニングからの眺めです。眺望の背景となる隣家の外壁面を目立たなくするため、灰炭で調色した木製縦格子を全面に設けました。建築の雰囲気と合わせたダークカラーの縦格子は、和風な佇まいと静寂の空間を演出し、スクリーンの効果のみならず、風にゆれる枝葉が室内から一層きれいに見えます。軒内際に木々を配置することで、遠近感が感じられ実際よりもスペースが広く感じられるよう配慮しました。木漏れ日の中でゆっくり読書をしたり、初夏の心地よい季節には窓を開け放してお孫さんの遊び場となったり、夏には七輪を囲みながら食事もできる大きな濡れ縁を設けました。6年目の現在では地面全体にコケがのり、庭全体が青々とよりいっそう涼やかな空気が漂っています。